先輩の退職の話と自分の退職基準
自分が入社してから一番お世話になった先輩が退職することになった。
初めて聞いたときはびっくりして声も出なかった。 その衝撃は言葉では言い表せないほどである。 これまでも退職者はいたのだが、今回の先輩は会社の中でもかなり古株の人だという事実もあり、全社的にも影響は大きい気がしている。
自分はこの先輩にOJTとしてついてもらった時期があり、良くしてもらっていた。 社会人としての行動規範のいくつかはこの先輩を見て考えたところでもある。 だから、衝撃の次は悲しさに包まれた。
もちろん人が一箇所に留まるのはそんなに多くないわけで、本人の意思で退職するのにずっといてくださいなんて思ってはいけない。 正直な気持ちとしても、次のところでも活躍してくださいというのが頭にある。
どうして退職を決意したのかを推測するのはあまりよくないが、一つ思うところとしては、最近の会社からの待遇が影響しているような気がしてならない。 よくよく考えるとそういった兆候があったような記憶もある。
例えば、最近自分に就活まわりの仕事が振られるようになったのもこの影響だと考えると合点がいく。 この先輩は先輩社員のモデルケースとしてよくそういったイベントに呼ばれていたのだけれども、今年はなぜか自分が呼ばれていた。
おそらくであるが、そこそこ急に辞めることになり、代替人員がおらず、仕方なしにある程度イベントに参加して内容を知っている自分に白羽の矢が立ったのではないだろうか。 もちろん業務命令として言われたからにはやるしかないのだが、不安を拭い去ることはできないわけである。
先輩の退職を機に自分の退職についてもあらためて考えてみた。
といっても、今退職を計画しているわけではなく、どういう状態になったら退職を検討しようかという基準の話である。 実は、退職した人や他社をやめて入ってきた人に話を聞いて、自分の中でもある程度整理していたりする。
自分が退職するときは、お金、職場環境、仕事内容のうち2つが不満を抱くものとなったときだと決めている。 それぞれに対して○△✕をつけて、✕が2つついたら退職のタイミングというわけだ。 順に見ていこう。
まずお金。
これは単純だ。 働いた対価として貰っている賃金に満足していないとき、この項目に✕がつく。
自分の考えるお金で満足する基準とは、自分が過ごしたい生活をできなくなったときだと思っている。 欲しい物を欲しいときに欲しいだけ買えるというのが理想であるが、少なくとも必要になったときにそれが購入できないのであれば、落第点である。
ただし、あくまで自己完結で考える必要がある。 他の人と比較してしまうと、自分の外からの評価が自己認識と異なっていた場合は退職してしまうと後悔する場合が多いと思っている。
続いて、職場環境。
この項目では、仕事を進めていく上で働きやすいかというところを考える。
ただ、それだけでは基準としては扱いづらい。 そこで、この項目はさらに細分化し、3つの副項目をつくり、それらの平均が△より下になったらこの項目に✕をつけるようにしている。 3つの副項目としては、労働時間・勤務場所・人間関係を挙げる。
1つ目の労働時間はその名の通り働いている時間。 どのくらいの時間働かなければならないかで、働きたくないのに働く必要がある場合は段々この項目の評価が下がってくる。
2つ目は勤務場所について。勤務場所と言っても職場がある場所だけではない。 最近はリモートワークが一般化してきた影響もあり、リモートワークができるかについてもこの項目の評価に関わってくる。 リモートワークができる職場であれば、通勤時間がまるまる自由時間となるため、満足度は上がるだろう。
3つ目は人間関係。 これはわかりやすい。仕事をしていく上で、上司、同僚(先輩・同期・後輩)、部下との人間関係で問題ないかを見る。 仲がいいほどいいというわけではないが、仲が悪いと精神衛生上良くないため、できるだけ快適な人間関係で過ごせることを期待する。
最後に、仕事内容。
これは、自分がやっている仕事が苦じゃないか、やりたい、もしくは興味ある仕事をしているかで判断する。 ここは明確な基準を決められないが、自分のスキルセットとやりたいことをリストアップし、その項目に近いか遠いかで判断するのが望ましいであろう。
ここについては、今勤めている会社と調整することも可能ではなかろうか。 やりたいこと・できることをもとに、こういう仕事がやりたい、という話を評価面談などのタイミングで伝えるのがいいと思う。
これが自分の考える退職を検討するかという基準である。
こういったものは先に決めておかないといけない。 後から考えると情が湧いてしまう可能性があると思っている。 手遅れになってしまうと、抜け出せなくなることが怖い。
また、先に基準を決めておけば、辞める決意がスムーズにできると思っている。 平常な思考ができるタイミングで決めた基準を適用することにより、辞めていいのかという迷いがなくなるはず。 迷いというのがなくなれば、行動に移しやすい。 というロジックだ。
平常な思考ができないときに比較ができるのかという話はあるのだが、少なくとも事前の準備を行うことで有事の際には役に立つと考えている。 実際はそこまで大変にはならないと思うけれども、3基準から外れたら転職していいサインと受け取れるのではないだろうか。
上に書いたように、自分のこの基準は他の退職をした人の話も聞きながら決めた基準である。 ただ、自分としては緩めな基準だと思っている。 世の中にはもっと気軽に転職してる人もいる。 これで固定するのではなく柔軟に対応していきたいところである。
ひとまず、現状はどうだろうか考えてみる。
まず、お金について。 これは現状は△である。 自分の仕事的にこのくらいの金額だと言われているが満足しているわけではないが納得はしている。 これから歳を重ねるにつれておそらく✕に近づくだろう。
次に、職場環境について。 これは、労働時間△勤務場所✕人間関係○の△である。 労働時間は、もう少し減らしたいなと思っているので△。 勤務場所は、少し前までは○だったのだが、最近出社を強制されてしまっており、不満を抱いているので✕となっている。 人間関係については良好であるため○。
最後に、仕事内容。 これについては、○と言って差し支えない。 自分にあった仕事ができているのではないかと思う。 ただ、現状では○なものの、これからスキルアップ等を考えることで変わってくる可能性はある。
その際に、自分を適応させるか、会社を変えるか、環境を変えるか。 一番簡単なのは環境を変えるので、そちらに寄る可能性もあると思う。
総合すると、△△○。2つが✕で退職検討なので、少なくとも今の環境は悪くない状況であるとも言える。
ただ、最初2つは✕に近づきつつあるので、あるところを超えたら一気に退職に傾くんじゃないかと思っている。
考えている基準を言語化すると、退職もシステマティックにできるものだなと思った。 やはり、会社第一ではなく、あくまで自分第一で過ごしていきたい。
そういえば、最近Twitterのタイムラインでも退職している人が増えてきている気がする。 もしかしたら退職という単語に敏感になっているから見えているのかもしれないが、書き込みがなければ見えることもないわけで、やはり流れはあるんだと思う。 また、フォローしている人もそこそこ関係が長くなってきたわけで、人生の岐路に立ってる人が多くなったのではないだろうか。 フォロワーに幸あることを願っている。
勢いのまま流れに乗ると後悔しそうだが、この先一番過ごす時間が多いのは多分会社なわけで、真剣に考える価値はあるはず。 自分も誠実に過ごしていきたい。
それではまた。