good!アフタヌーンで連載中のビブリオファンタジー『図書館の大魔術師』
混血で耳長の少年シオがセドナという司書<カフナ>と出会い、己も司書となって世界を変えようとするストーリー。
1巻ではその外見や出自で虐められていたシオが、とある理由で街の図書館に来た司書と出会い、分かれるまでが描かれる。 2巻以降では司書の試験を受けに行き、その後たくさんの人と触れ合いながら司書ととなるための勉強をすることになる。
一言でいうと引き込まれる。 話の流れや登場人物はもちろんのこと、合間に入る小話や細部に至るまで世界観が練り上げられており、この世界をもっと知りたいと思うくらい。 アニメ化されてないのがおかしいくらいすごい作品だと思っている。
もちろん、作画も素晴らしい。 細かいところまでぎっしり書き込まれており、満足感も計り知れない。 正直全員読んでほしいと思う作品。
中のテーマとして、種族や所属の対立というの幾度となく出てくる。 どんな世界でもそういったものは消えないんだなあと思うと同時に、当事者としてそれはそれで受け入れつつなんとかしようと足掻く主人公には頭が下がる。
知識があってそれを正しく使えるということの強さを知らしめられるよね。 自分がそんな立場であっても同じようにはできない。
主人公は人と関わることでそれぞれの考えや価値観を知り、自身をアップデートさせて成長していく。 強さというわかりやすい指標はないけれども、成長しているなあと思わされる描かれ方には感服。
さて、この作品には原作「風のカフナ」と書いてある。 しかし、実はそんな作品はなく、そういう設定で描いているということになる。
原作の作者として名前が挙がっている人も巻が進んで登場しているため、そのあたりも(打ち切りとかにならなければ)きっと描かれるはず。
次の巻が出てくるたびに1巻から読み返したくなり読んじゃう、そんな作品。